201807/13
『ユニットバスでしょうか?それともタイル貼りの昔ながらのお風呂でしょうか?』
お客様からお風呂のバリアフリーリフォームのご相談を受けたとき、まずこれを伺います。
それぞれに一長一短あり、施工に関して気を付けることも、使える建材も違ってくるからです。
ユニットバスの場合、壁に強度が無いので手すりの選定には苦心するのですが、床に関して言えば躯体(建築物の構造材のこと)との間に隙間があり断熱材も入っていたりするため、冬でもひんやりしにくいというのが長所のひとつです。
また、滑りにくい凸凹のついた床になっていることが多いですね。
かたや在来工法浴室の場合、床面はタイル貼りがほとんど。
問題として挙げられるのが「滑りやすさ」「硬さ」「冷たさ」です。
とくに冬場は素足で踏み入れることを躊躇する冷たさ…。

今回ご紹介するフクビ化学工業さんの「あんから」は、こういった在来工法浴室タイル床のウィークポイントを払拭できる浴室床シートとして発売されました。
タイルの上から貼るだけの省施工・低コストで、介護保険における住宅改修費の支給を受けることもできます。

フクビさんと言えば、樹脂成形の住宅建材メーカーとして様々なノウハウをお持ちのメーカーさんです。
1枚のシートに隠された工夫のアレコレを、ひとつずつ解説させていただきます。
内閣府が平成22年度に行った「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」によりますと、この1年間に転んだことのある人は 9.5%…つまり約10人に1人が自宅内で転倒していることが分かります。
浴室は石けんも使いますし、水に濡れた状態で滑って転びやすい要素が満載です。
浴室のバリアフリーリフォーム、まずは転倒しにくいお風呂にしなくてはなりません。

【参考】内閣府「平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査結果(全体版)
<http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h22/sougou/zentai/pdf/2-3.pdf
「あんから」は、この問題を表面の凸凹デザインでクリア!実際の滑り試験でも下図のような結果になっています。
サンダル履き(お風呂掃除用のスリッパ)でも素足でも、しっかり許容範囲に収まってくれています。

凸凹が摩擦力をあげているのはもちろんなのですが、表面に残った水も滑りの大きな原因になるため、エンボス加工をして水はけをよくしているそうです。
カラーも4色から選べるのは嬉しいですね。

実は先ほどご紹介したデータには続きがあり、
自宅内で転倒した人のうち3人に2人が何らかのけがを負っているという事実が!

できれば転倒しないのが一番ですが、もし転んでしまった場合には重大なけがにならないよう配慮をしておかなければなりません。
高齢者の場合、転倒による怪我がきっかけで寝たきりになる方もいらっしゃいます。
さらに浴室では、裸なわけですし…。
「あんから」にはほどよい弾力があり、転んだときの衝撃を和らげてくれます。
もちろん転んでも痛くない!というわけではありませんが、タイルの硬さと比べれば下のグラフのように明らかな差があります。

私の実家も昔、在来工法タイル貼りの浴室だったのですが、冬場は素足では立っていられないくらい冷たくなるので、スチロール製のマットを敷いていました。
マットと床の間に水が流れるとズルっと動いてしまい、何度か危ない思いをした記憶があります。
最近は床暖房付のユニットバスも販売されていますが、それこそ高額なリフォームになってしまいますよね。
「あんから」の裏面は発泡素材で出来ています。タイルと足裏の間に断熱材が入った状態になり、タイルの冷たさを和らげてくれます。
その差はサーモグラフィーでも歴然と。

お風呂は温まって1日の疲れをとるところですから、転倒や冷たさにビクビクせずにリラックスしたいもの。
「あんから」のようなリフォーム用建材をうまく使って、安心・快適の両方を叶えてみてはいかがでしょうか。

フクビ化学工業株式会社 ホームページ:https://www.fukuvi.co.jp/