202212/01
こんにちは、転倒予防研究家のMです。
この記事を開いてくださったあなたはきっと、高齢の両親の転倒が心配。そして、転倒予防のためのリフォームやDIYを検討されていらっしゃるかと思います。しかし、なんらかの理由で、ご両親がリフォームやDIYを反対されている。そして、リフォームやDIYに反対する両親が、そもそもなぜ反対しているのかよくわからない。だから、どう説得して良いのかわからない。そんなお悩みを、お持ちなのではないでしょうか。
今回は、とある九州の工務店に取材協力をしてもらいました。実家のリフォームを計画している「子」の提案をなぜ「親」は否定するのか。「子」はどうすれば「親」を説得できるのか、できたのか。年間20件以上のリフォームを実施する施工業社が見聞きした現場のリアルなトラブルから、読者のあなたの参考になる事例やデータを見つけていただければと思います。
■登場人物紹介
0.九州のとある工務店 (以下、K工務店)
1.健康に自信があるAさん (65歳/男性)
2.お金が不安なBさん (73歳/女性)
3.見た目が気になるCさん (70歳/女性)
4.番外編:まとめ
※個人情報の観点より、工務店名と個人名を伏せて記事化しております。
※この記事では、当サイト運営のマツ六の商品PRもさせていただいております。
工務店によると、一番多いのがこのケース。
「まだ早い」
「自宅で転びそうになったことなどない」
自身の若さや健康に自信がある方ほど、プライドを傷つけられたと感じて強く反発することもありそうです。
【K工務店】
大切なポイントは、客観的なデータを提示すること。過ごす時間が長い家庭の中にこそ、大きな危険が潜んでいると理解していただくために、私たちは主に次のようなデータをご紹介させていただいております。
こちらのグラフでは、高齢者の死亡者数のうち「転倒・転落・墜落」による死亡者数が「交通事故」の4倍もあるという数値を示しています。
また、次のグラフでは、65歳以上の高齢者が転倒した事故のうち、約半数の事故が家庭(住宅)の中で発生しているデータを示しています。
加えて、高齢者の介護が必要になった原因として「骨折・転倒」は「認知症」「脳血管疾患」「高齢による衰弱」に次いで4番目(13.0%)に多いというデータもあります。
ただ、事実を伝えても「自分だけはまだ大丈夫」と言われる方、より頑固になってしまう方も少なくありません。その場合は、
・まだまだ元気でいてくれて嬉しい
・今はまだ不要なのはわかっている
ということを伝えつつも、
・ただ、子どもである私たちを安心させるために(特に親子が離れて暮らしている場合は)検討してほしい
など、「私たちのために」という伝え方をすると、聞き入れてくださる方が多いようです。
なぜ反対されるのかわからない場合、お金のことが引っかかっていることが多いようです。たとえ親子でもお金の話はしづらいもの。何かと理由をつけては反対して、実はリフォーム費用のことが一番の心配だったことが後からわかったことは何度もありました。費用をご両親が出される場合でも、お子さまが出される場合でも、大切なのは一度見積もりを作ってみること。具体的な金額がわかれば「やるかやらないか」ではなく「ではどこまでやるか」を話し合いやすくなります。まずお近くの工務店で、お気軽に相談、見積もり依頼をされることをオススメします。
その結果、「思ったより高い」となった場合は、2つの選択肢があると思っています。
1.部分的なリフォームを依頼する。
2.自分でリフォームしてみる。
何も、いきなり大規模リフォームを実施する必要はありません。特に危険と思われる数カ所に手すりをつける等の工事であれば施工費、材料費ともそれほど大きな費用にはなりませんし、近年はDIYで手すりを取り付ける人も増加しています。数万円、数千円の予算でもできることはたくさんあります。転倒予防ナビの記事で人気の手すりを紹介しておりますし、はじめてDIYをした方の体験記なども掲載されているので、参考にされてみてください。
家で使いたい!人気のおすすめ手すりランキング5選(転倒予防ナビ)
初めてのDIYでも簡単で頑丈に。介護にも役立つ手すり取付のコツを伝授!(転倒予防ナビ)
転倒予防の手すり等をつけることで、自分が老人であることを自覚したくない。家族や知人から老人扱いされたくない。という方もいらっしゃいます。
【K工務店】
近年の手すり、転倒予防器具の中には、見た目はもちろん、機能的にも優秀な「デザイン性に優れた」商品が多く見つけられます。たとえば【LOHATES】は工事不要、家庭内のあらゆるシーンに持ち運べてしかも見た目が美しい手すりなので、「我が家の最初の手すり」としてオススメしております。
https://www.mazroc.co.jp/lohates/
また、壁面や柱に固定して設置するタイプの手すりでも、たとえば【nimone】などは、DIY未経験でも30分とかからず簡単に取り付けができる上に、おしゃれな収納としての活用もできます。
https://www.mazroc.co.jp/nimone/
転倒予防の手すりと、おしゃれな部屋、若々しいインテリアは両立します。ぜひ、このようなデザイン性にも優れた手すりを探してみましょう。きっと、手すりをつけること、手すりを使いこなすことが楽しくなるはずです。
ここまで代表的な3つの反対理由を紹介してきました。
・若さや健康への自信
・お金が不安
・手すりの見た目
しかしこれ以外にも、よくある2つの反対パターンがあるそうです。
4.「そのお金は孫に使ってあげて」自分の優先順位が低いDさん(72歳/女性)
5.「………(不機嫌な顔)」子を信頼していないEさん (73歳/男性)
こういった場合、日頃から親と子のコミュニケーションが不足しているかもしれないと、K工務店さんは教えてくれました。
【K工務店】
まず、こちらの記事を読む方に知っていていただきたいことは、転倒予防で一番大事なのは対話だということです。家族の中で、積極的な方(お子さま)おひとりが何でもどんどん決めていくケースがありますが、特に手すりや滑り止めといった転倒予防の機能は、使う人=高齢の両親の方々。事前に細かに意見を聞いておかないと、工事・設置が終わった後で「使いづらい」と不満が出ることも少なくありません。身長、体型、家庭内での細かな動作によって、人それぞれ、必要な手すり等は違ってきます。リフォームの業者に、経験豊富な業者だからといって丸投げせず、家族内で相談をしておくことはとても大切です。
また、不満や反対意見は、必ずしも表面化していないことがあります。大人しい性格の親御様は、子どもが自分のために考えてくれていることだからとニコニコされて、実は言いにくい何かを言えずにいる場合もあります。今回の記事を通して、もしかしたらこんなことが心配なのかもしれない。不安をなくすためにこの件は話し合っておこう。そう考えるようにしていただけると幸いです。
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