202212/01
こんにちは、DIY初心者Sです。かなりの初心者ですので、そのつもりで読んでいただければ幸いです。
前回は、築45年リフォーム後10年の実家に潜む、転倒予防の観点から見た危険箇所のリストアップを実施しました。そして今回いよいよ、はじめての「手すり」取り付けを行います。ドキドキします。頑張ります。
※本レポートのnimoneは、マツ六株式会社から提供を受けています。
・私30代
・DIY未経験
・母60代 (ずっと腰が痛い)
・リフォーム済みだが転倒予防対策はほとんどされていない実家
両親は昔からよく「昔の家は段差があるから足腰が鍛えられる!」と言っていました。以前見たテレビ番組でも、バリアフリー住宅は段差が少なく足を上げる習慣が少なくなっているからつまづく人が増えているという考え方を紹介していました。
確かに、転倒予防ナビの過去記事(※)でも、段差がない場所よりも段差のないところの方が転倒事故の発生件数が多いことが紹介されています。
こう考えてみると、段差の多い実家は、いいトレーニングルームだ、と主張する両親の話はわからないではありません。「安全かつ足腰が鍛えられる家」を目指し初のDIYで手すりを取り付けていくことにします。
なぜ手すりなのか。DIY初心者であり転倒予防初心者でもある私の独自調査によると、転倒予防にはまず手すり。効果、費用、DIYの簡単さの三拍子で、効果が高いと判断しました。この記事を読んで、もっとこういう対策があるよ、この方が効果がある、といったご意見がありましたらぜひ、お知らせいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
なお、今回の記事における、事前リサーチで見つけた危険箇所=手すりの取り付け箇所は、次の通りです。
・玄関の内側
・台所横の通路 (母がよく通る段差)
・勝手口
・トイレの手すり (既に付いている物と交換)
・おまけ
都合5箇所、5つの手すりを取り付けていきます。さぁ、やるぞ、やるぞ、やるぞ!
今回、選んだ手すりはこちら。マツ六株式会社の【nimone】です。ライター仲間の友人から紹介してもらい、そのままこちら、転倒予防ナビで『はじめての転倒予防DIY』シリーズを書かせていただくことになりました。多分ですね、【nimone】という名称は、ここにもね、あそこにもね、という意味だと思います。私もいろんなところにつけてみたい!
最初、母から「いかにもな手すりはつけたくない」と反対されることを恐れていましたし、私自身も実家が介護介護しすぎた雰囲気になることは懸念していました。しかし実際に手に取ってみた【nimone】ははっきり言っておしゃれです。こう言っては何ですが、実家のどの家具よりもスタイリッシュかもしれません。
また、取り付けも非常に簡単。取り付けに用意したものはこれだけです。
・プラスドライバー
・電動ドライバー (あると便利!)
・メジャー(2mくらい)
工具はもともと実家に揃っていた(両親は農業をしているので工具類があった)ので、工具をお持ちでない方も、20,000円強で充分に転倒予防が実施できると思います。正直、想像していたよりずっと安い。これは嬉しい誤算でした。
玄関に取り付けた【nimone】は、中サイズの全長42cmタイプ。ちょっと長めの42cmタイプであれば年齢、身長に関わらず多くの人が利用しやすいと考え42cmタイプを選択しました。
まずは玄関。玄関の角には太い柱が立っており、母は靴を履いた後に立ち上がったり、靴を脱いだ後に家に上がる際、この柱につかまっていました。しかし当然のことながらこの柱、形状、硬さ、太さいずれも、つかまることに適してはいません。
母の身長は148cm、父の身長は165cm。どちらも手に取りやすい高さを考え、ちょっと試しに握ってもらったりしながら、取り付け位置を決めました。縦に手すりを取り付ける場合は、利用者の肩と同じくらいの高さが、一番力が入りやすく、手に取りやすいようでした。※利用者の身長や身体状況により異なりますので実際の取付けの際にはいろいろ試してみることをオススメします。
利用者が複数いて身長差があるケースでは、設置のポイントは利用者の肩の高さの平均を手すりの中央の高さに設定することでした。傾きがないように水平を取りたかったのですが私はあいにく、本格的なDIY道具である水平器を持っておりません。そこでメジャーを使い両端を柱の角から8cmの位置で取り付ける方法をとりました。この方法であれば柱に対してほぼ平行に取り付ける事ができます。横向きの場合も、床からの距離を二点で測定し平行をとりました。よっぽど神経質な方でなければ、これで充分だと思います。
プラスドライバーを使い奥まで回してネジを入れます。
残りの3箇所に同様にネジを打ち込み、商品にネジ隠しのパーツがある(細やかな気遣い!)のでそれを貼れば作業終了です。
作業時間は約30分。DIY素人の私でも【nimone】の取り付け作業はとても簡単で30分で設置完了しました。取り付け箇所の強度にもよりますが、女性の方でも苦労しないのではないかと思います。
この後、2箇所目は電動ドライバーを使用しました。2箇所目という慣れもあり15分で2箇所目の取り付けが完了しました。やはり電動工具は偉大です。
想像以上の強度で体重70kgの私があえて体重をかけて使用してもびくともしません。手すり自体の肌触りも良くて、シンプルなデザインなので手すりであることを主張しすぎません。むしろちょっとおしゃれになりました。42cmという手すりの長さもほどよく私たち家族どの世代も利用できるちょうどいい長さでした。嬉しくて写真をいろんな角度から何枚も撮ってしまいました。見てください、はじめての手すり、はじめてのDIYです!
台所横は玄関先に比べて段差は低いですが、母が出入りする回数が多く、むしろ危険が多いかもしれません。ここでは【nimone】は全長23cmを選びました。母の使用がメインのため、高さの幅を広げる必要がなく、母専用の手すりといった感じです。
台所横の手すりでは、試しに複数の色を試してみました。【nimone】には、無塗装、クリアベージュ、ベイクドブラウンの3色があります。
「どの色がいいかな〜」「最初は無塗装で後から色を塗ってもいいんじゃない?」などと、あれこれ会話をしながら楽しく取り付けました。こんな些細な会話、コミュニケーションの種になっただけでも「取り付けてよかったな」「DIYって楽しいな」と思えました。
玄関と同じくらい出入りする回数が多い勝手口は、狭い廊下の先にあります。
今回は高さ100cmでつけてみましたが、その後聞くところによると一般的な手すりの高さは75cm程度、上り下りに使用する際は120cm程度が一般的だそうです。が、母は「手前の段差でつまづいてもすぐに手に届く範囲に手すりがあって安心」「とっさの時につかまりやすい」と気に入っている様子。手すりはやはり「利用者の身長や身体状況により異なります」ということで、みなさんも取り付けの際はいろいろ試されてください。
なお【nimone】を横向きに設置すると、S字フック等を使ってほうきやちょっとした荷物掛けとしても使用できそうです。この用途で自分の部屋にも使いたいなぁ。
母からリクエストのあったトイレの手すりも交換します。母からの要望は「手すりをもっと手前に設置したい」「タオルを掛けたい」でした。この手すりは横幅が狭いため、手すりを使う人と使わない人、使用者が変わる度にタオルの掛け位置が移動している状態です。
わかりますでしょうか、手すりとして使おうとすると、タオルをぐいんと奥にずらすことになるんです。タオルが手すりの上に掛けられていると、手を着いた時に滑ってしまう恐れがあります。また、タオルが移動すると手すり全体が不衛生な気がするそうです。
この要望に最適な手すりが【nimone】のこちらのタイプ。
この手すりは持ち手が60cmという長さであると同時に、中央でふたつに別れています。手前右側を手すりとして、奥手左側をタオルかけとして使い分ければ一石二鳥。もう何だか、母の要望にぴったりすぎて怖いです。
これまでより長いので取り付けはちょっと難しいかなと思っていましたが【nimone】はどの製品も取り付け方法は同じで、この場所も簡単に設置が完了しました。全然苦労しない!
シンプルなデザインはおしゃれで清潔感がありトイレの雰囲気も変わりました。デザインはもちろんですが、機能面も◎で母も家族の反応も良かったです。むしろここが一番喜ばれた場所かもしれません。
玄関すぐそばのスリッパ置き場は、床に置かれて、歩いている時に足にあたって倒れたり、少し邪魔に感じていました。ロボット掃除機を使用する家庭も多いかと思いますが、実家もロボット掃除機を動かすたびにスリッパ置きを移動させていました。そんな時は、ここにも【nimone】!
ぶつかっても倒れない(というかぶつかりにくい)スリッパ掛けにもなりました。大変気に入りました。
最初に紹介した【nimone】の公式ページでは、これ以外もコートハンガー、傘・ステッキ、台所用品、本、かばんなどを掛ける用途が紹介されていました。手すりとして、転倒予防のために導入した【nimone】ですが、むしろおしゃれな収納家具として追加購入したくなってきています。DIY、考え始めると楽しいですね。
設置を終えて感想を聞くと、母は「腰や膝が痛かったので今までは痛い思いをしながら上がっていたけれど腰や膝の負担が減り助かる、踏ん張りやすくなった」と言いました。これまで長らく気づいてあげられなくてごめん。ほとんど登場しなかった父は「急ぐ時があるから目の前に掴むものがあるのは安心」と言いました。
初めてDIYで手すり【nimone】を取り付けてみましたが想像以上に簡単です。女性の方も、ご高齢の方も、無理なく設置できる製品だと思います。私もDIYデビュー戦でくじけることなく最後まで頑張れたのは【nimone】のおかげです。ありがとう【nimone】。
今回の私は、私のDIYで家族の安全と快適を守った。という強い自己満足を得ることができました。また、DIYの副産物として、父母の健康状態、老後の暮らし方など、会話が弾んでわかり合えたことも、大きなメリットでした。
しかしこれで、家庭内のすべての転倒が予防できたわけではありません。今回の手すり編を通して逆に気づいた危険もあります。せっかく始めたDIY、楽しみながら続編も取り組んでいくつもりです。最後まで読んでくださってありがとうございました。またお会いしましょう!
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