201701/27
私たちのすぐそばに潜んでいる「危険」。ちょっとした事故に遭うのは、街中で買い物をしている時や、道路を渡っている時だけではありません。
「高齢者の1割が自宅で転倒を経験!防止のカギは「手すり」にあり」でもご紹介しましたが、「1年の間に自宅で転んだことがある」と答えた高齢者の方は約1割。一番安心してくつろげるはずの自宅ですが、実は想像以上に危険をはらんでいる、とも言えます。
ところで、自宅の中でもどんな場所が危ないのでしょうか。内閣府が調査した「平成22年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の結果をみてみると、転倒事故が起こった場所として一番多いのは「庭」で36.4%(195人中71人)、続いて「居間・茶の間・リビング」の20.5%(195人中40人)、「玄関・ホール・ポーチ」の17.4%(195人中34人)と続いています。
調査結果のグラフを一見すると、庭での転倒がずば抜けて多いように見えますが、もう少しこの結果を検証してみましょう。
転倒した人数を、「屋外」「段差のある屋内」「段差のない屋内」「その他・不明」に分類してみます。つまり、もちろん住宅によって差はあるのですが、
(1)屋外:庭、ベランダ、バルコニー
(2)段差のある屋内:玄関、ホール、ポーチ、階段、浴室
(3)段差のない屋内:居間、茶の間、リビング、寝室、廊下、台所、便所、食堂、洗面所、脱衣所
に分類したグラフが下の通りです。
どうですか?ガラッと印象が変わったのではないでしょうか。
実は、屋外での転倒は全体の3割ちょっとで、屋内での転倒が約2/3を占めているのです。しかも、リビングや寝室などといった「段差のない屋内」での転倒は、玄関や階段など「段差のある屋内」よりも多く、全体の約4割にものぼるのです。
つまり、注意が必要だと思われている「屋外」や「段差のある屋内」よりも、あまり転倒の危険がなさそうな「段差のない屋内」の方が、実は多くの転倒事故が起こっているということになります。
さらに、同じ調査結果を年齢別に「60~74歳まで」と「75歳以上」の2つに分けてみたのが、下のグラフです。
74歳までに比べて、75歳以上では明らかに「段差のない屋内」での転倒が多いことが、お分かりいただけると思います。その割合はなんと50%!もはや、普通に歩くだけでも危険が潜んでいる、とも言えるでしょう。
最後にもう一つ、ショッキングなデータを。平成27年度の人口動態調査によると、家庭内における不慮の事故(転倒・転落のほか、溺死や窒息死、火災など)の死者は13,952人。このうち、転倒・転落による死者は2,634人でしたが、このうち半分以上の1,469人が「スリップ,つまづき及びよろめきによる同一平面上での転倒」でした。つまり、毎日4人が段差のないところで転倒し、亡くなっているのです。
ちなみに警察庁の発表によると、平成27年に交通事故で亡くなった方は全国で4,117人。ということは、交通事故による死者数の3倍以上の方が、家庭内による不慮の事故で亡くなっているということになるのです。毎日、交通事故の悲しいニュースを目にしますが、実は道路よりも家庭内の方が、ずっと危険だといえるかもしれません。
油断大敵といいますが、まさに自宅内でも油断は禁物。「まさかこんなところで」という場所で、事故は起こってしまうのです。自分はもちろん、家族が一番くつろげる場所であり続けるために、自宅のどこにどんな危険が潜んでいるのか、また、その危険をどうすればなくせるのかを、いま一度見直すことが大切なのではないでしょうか。
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