202212/01
はじめまして、DIY初心者Sです。
・30代
・地方都市在住
・会社員
・DIY未経験者
・趣味は釣り
ごくごく普通の一般人です。また、母Yのことも紹介します。
・60代
・地方都市在住
・兼業農家
・転倒未経験者
・趣味は健康
やはり、ごくごく普通の一般人です。父K(60代)も健在です。
シリーズ「はじめての転倒予防DIY」では、こんなごくごく普通の親子が急に思い立って、特に不満のなかったはずの自宅(一軒家)に、転倒予防の工夫を凝らしたDIYを実施していく様子を見ていただきます。その最初となる第1回では、まず住み慣れたはずの我が家に潜んでいた危険箇所を見つけてきた話をしていきます。
きっかけは、実家の母が「膝が痛い」という言葉。最初のうちは「そうね」と適当に相槌をするだけでした。が、「あれ?この前も言ってなかったかな…」「まだ治らないのかな」。私ははたと、気づいてしまいました。
お米を作っている私の実家。思い返すと私は幼少の頃から、近所のコイン精米機まで米袋を持って運ぶ母の姿を見てきました。米袋(30kg)を軽々持ち上げて笑う母親を、私はずっと「力持ち」だと思ってきたのでした。
しかし、そんな母もいつの間にか歳をとっていました。この数年は米袋を一度に持ち上げることなく中身を小分けして軽くして運んでいます。段差を上がる時は片手を膝に付き「よっこいしょ」。急に、家の中が危険でいっぱい、負担でいっぱいに感じられてきました。何か、何かしてあげたい。これが転倒予防DIYを考えはじめた経緯です。
・築45年
・リフォーム後10年
・水回り、通路(廊下等)はリフォーム済
実家は両親の老後の生活が便利になるよう、知人の大工さんに相談して10年前にリフォームしていますが、何せ築45年の古い家屋をベースにした我が家のリフォーム。費用がかさみ、水回りや通路の床張り以外のところではいったん諦めた箇所もあります。
早速、親子がどちらも安心できる生活を守るべく、まずは手すりを取り付けてはどうか、と母へ相談したところ、即答で大賛成。高齢者扱いするな!と怒られたらどうしようと密かに不安でしたが、母は大変嬉しそうに「〇〇に付けて」「〇〇はどうかな」などなど、すぐに逆提案を開始しました。待ってましたと言わんばかりです。
私自身、いろいろとやってみたいことはありますが、まずは作業前に一番大事なこと。「実家に潜む危険と不便」をリストアップすることに。滑りそう、転びそう、立ち上がりにくい、狭い。どんな問題も、かかってこい!という気分でございます。
最初に頭に浮かんだのは玄関です。実家は玄関先が土間になっており、ここからの出入りが一番多いです。ここは家の中でも特に段差が高い場所で、母はすぐ横にある柱につかまり、靴を履いた後に立ち上がったり、靴を脱いだ後に家に上がったりしています。
「昔は軽々と上がれていたのに…」と母は言いました。
この様に「昔はできていた」というのは危険な箇所です。また柱(角材)は当然ながら形状的にも大きさ的にも、立ち座りの際につかまる物としてはあまり適していません。ささくれだつと怪我をする可能性もあります。
築年数が古い住宅に特有の謎の段差は危険です。ここは台所横にある段差。台所は、母が頻繁に出入りする場所。写真左下隅に写っている白い機材はセンサーライトで「薄暗くても段差に気づきやすいように」取りつけられたものですが、今では段差に気づいてもなおその段差を乗り越えること自体がヒヤリする行為となってしまっています。
この段差のすぐ近くに食器棚、フライパンが置かれているため、段差でふらついて食器棚にぶつかってしまうと食器を割ったり、フライパンなどの重量物が足に落ちケガをしてしまうかもしれません。なぜ今まで、危険だと思わなかったのか。頻繁に使う通路、慣れた場所にこそ注意を払わなければいけませんでした。
勝手口は、少し狭い第二の玄関。何か物を手に持って、出入りすることが多いところです。ご近所さんが野菜を届けてくれたり(田舎あるあるです)、ゴミを外に出したり、急な雨で洗濯物を取り込んだり…ちょっと急いでいる状況での利用が多いのも、勝手口の特徴かもしれません。「狭い」「急ぐ」「段差がある」そんな危険が集まった勝手口に、なぜ手すりがないのか。私は自分で自分に怒りを感じたのでした。
「もっと、もっと真剣に我が家の危険と不便を見つけなければ…」
ここはトイレの入り口ですが、我が家は水回りのリフォームは済んでいるので、すでに優先して手すりが取り付けられています。が、転倒予防DIYの話をしたところ、ここの手すりを交換して欲しいと言われました。なぜでしょうか。
理由は、手前からトイレに入った際、手すりが少し奥にあってつかまりづらいことと、手を洗った後に使うタオルを掛けたいとのことでした。正直なところ、手すりは手すり。新しいものと取り替えてもそんなにそんなに変わらないんじゃないか、とも考えましたが、実際は新しい機能的な手すりに付け替えたことで、使い勝手は大きく向上しました。その様子は、次回の手すりを取り付ける回を読んでいただければと思います。つけりゃいい、そういうものではないのですね。
最後に、家の外に出た駐車場です。写真の左手側に家屋があります。駐車場の出入り口は、緩やかな斜面になっています。写真の奥手側は道路です。交通量はさほど多くありませんが見通しはよくありません。飛び出し注意ポイントです。
現在、車椅子が必要な家族はいませんが、車の乗り降りの際は傾斜でバランスが取りづらいことも事実。ふらつき転倒したり、もし車椅子を使用していると道路側に進む危険性もあるところです。屋外、コンクリートの上のDIYはかなり難易度が高そうですが、いずれ何とかしなければという思いです。
ちなみに、自宅の中で転倒しやすい場所のランキングは次のようになっています。
私の実家の場合は、以前のリフォームで階段と風呂場にはすでに手すりが付いていました。これから転倒予防のDIYをやってみたい、検討したいという方は、見逃すところがないよう参考にされてください。
このように、「危ないのではないか」「不便なのではないか」と考えながら実家の中を見て回ると、想像以上にたくさんの気づきがありました。転倒のリスクは今日より明日、年齢を重ねるほどに増していきます。幸い、私の実家ではまだ、転倒事故は発生しておりません。しかし、何気ない毎日の動作、玄関の出入りや自宅内の移動に、小さな負担とストレスとを積み重ねていた母には、少しでも安心して過ごしてほしいという気持ちになりました。
ぜひあなたも、自宅やご両親の実家を、転倒予防の観点から観察してみてください。きっと「私もDIYしなくては!」という気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。そして次回、実家の多くの問題を一挙に解決してくれる、簡単にして至高の転倒予防DIY「手すり」編をご案内させていただきます。お楽しみに!
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