202601/07
在宅で介護をしていると、ふとしたときに「こんなグッズがあったらいいのに…」「こんなとき、もっと簡単に介護できないだろうか?」と思う瞬間があるはずです。
いざ在宅介護をスタートしてから、「用意しておけばよかった!」ということもあるでしょう。介護では、想像以上にさまざまな用品が入り用となるものです。
本記事では、介護をラクにするおすすめのグッズを、シーン別にわけてご紹介していきます!
介護用品を購入する際やレンタルする際の補助制度についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。賢く、手軽に、便利グッズを活用しましょう。
介護は、朝から夜まで要介護者の日々の生活をサポートするため、そのための介護用品はあらゆる場面で必要となります。
たとえば、朝・昼・夜の3回、要介護者が楽しく食事をするためのグッズがあると助かります。
また、相当の体力を要する入浴介助では、介護者・要介護者共に身体的負担を減らすようなグッズが必要ですし、多くの時間を過ごす寝室には、心地よく生活できるためのグッズがあるとよいですね。
人間の尊厳にも関わるデリケートなトイレ介助の場では、お互い快適かつスムーズに進められるグッズが求められます。
このように、日常で介護用品・グッズが活躍するシーンは多々あります。
ここでは、「食事」「お風呂」「寝室」「トイレ」「そのほか」と5つの場面にわけ、あると便利なおすすめグッズをご紹介します。最初から全部ではなく、優先度の高いシーンから揃えると良いでしょう。

加齢や疾患で口腔周囲筋が弱ると食べこぼしが増えがちです。衣類の汚れや片付けの負担を減らし、介護者、要介護者双方が食事に集中できるようにしてくれます。
≪選び方のポイント≫
・カバー範囲:胸〜膝まで覆うロング丈・ワイド幅が安心。車いす利用なら座位で太ももが隠れる長さを。
・キャッチポケット:裾が立体的に受け止めるタイプだと、固形・液体のこぼれをしっかり回収。後片付けが格段にラク。
・素材:防水・撥水+耐熱が理想。ポリウレタンラミネート等は軽く乾きやすい。熱湯や次亜塩素酸系の衛生管理可否を表示で確認。
・留め具:面ファスナー(マジックテープ)なら着脱が一動作。片麻痺・巧緻性低下でも扱いやすい。肌当たりが気になる方は面ファスナーを外縁に露出させない縫製が◎。
・メンテ:洗濯機可・乾燥機低温可だと運用が続く。施設併用なら名入れタグスペースがあると紛失防止に。
※介護用食事エプロンは介護保険対象外です。
臥床時や頸部可動域が狭い方でもこぼさず飲めるようにするための補助容器。 水分だけでなく、粘度調整した飲料や流動食に対応する製品もあります。
≪タイプと使い分け≫
| ストロー型 | 頸部挙上が難しい方に。逆止弁付きは逆流・誤嚥リスクの軽減に寄与。 |
|---|---|
| ノズル型 | とろみ飲料やスープ類向け。流量コントロール弁付きがベター。 |
| 角度可変ボトル | 底面が斜めで最後まで吸いやすい。介助者の手首負担も軽減。 |
≪選び方のポイント≫
≪安全運用のコツ≫
※吸い飲みは、介護保険対象外です。
「握る・持つ」を助ける多目的補助具。 カトラリー、歯ブラシ、ペン、髭剃り、メイク道具など柄の細い物に差し込んで太径化し、滑りを抑えます。
≪選び方のポイント≫
≪活用シーン例≫
≪安全運用のコツ≫
※スポンジハンドルは介護保険対象外です。

入浴時の安全と快適性を大きく左右するのがシャワーチェアです。一般的な椅子と異なり、座面が広く・滑りにくく設計されています。背もたれやひじ掛け付きタイプを選べば、安定した姿勢で全身を洗うことができるため、介護者・要介護者双方の負担が大幅に軽減されます。
また、U字型や回転式などバリエーションが豊富で身体状況に合わせたものを選びやすいほか、介助者の腰痛予防に効果的な「高さ調整機能」や浴室床でも安定しやすい「滑り止めゴム脚付き」のものもあります。
シャワーチェアは「入浴補助用具」として指定されており、特定福祉用具販売制度(購入)で介護保険が適用されます。
浴槽への出入りや浴室内での姿勢保持に欠かせないのが手すりです。転倒リスクを最も減らせるアイテムの一つであり、設置することで要介護者の安心感も高まります。
浴槽縁に固定するタイプは、浴槽用手すりとして「入浴補助用具(購入対象)」に指定されています。一方、壁固定や置き型タイプは、設置方法や構造により、「福祉用具貸与(レンタル対象)」に該当する場合があります。
つまり、同じ「手すり」でも種類によって制度区分が異なるため、選定時はケアマネジャーや専門相談員に確認することが重要です。
入浴や移乗時に要介護者の体に巻き付け、立ち上がりや体位保持をサポートする補助具です。特に濡れた浴室内ではバランスを崩しやすいため、ベルトを使用することで安全性と介助の効率性が向上します。
ただし、持ち上げるための道具ではなく、あくまで姿勢保持補助である点には留意が必要です。腰部のみを支えるシンプルなものから、脚部もサポートするタイプまでバリエーションがあります。
制度上は「入浴補助用具」に分類され、特定福祉用具販売(購入対象)で介護保険の適用を受けられます。
介助者自身を守るアイテムが入浴介助エプロンです。防水・撥水性に優れた素材でできており、衣服の濡れや汚れを防止できます。全身を覆うロング丈を選べば、介助中に安心して動けます。
介護者の負担軽減には欠かせない存在ですが、制度上は介護保険対象外のため、自費購入となります。コストは比較的安価なので、介助者のストレス軽減の観点で早めに導入するのがおすすめです

寝室で過ごす時間が長い要介護者にとって、ベッド上でも食事や書き物、読書、PC操作ができる環境は生活の質を大きく左右します。
高さ調整機能付きのオーバーベッドテーブルなら、体格やベッドの高さに合わせて自在に使え、姿勢保持にも貢献します。片側脚タイプは省スペースで使いやすく、両側脚タイプは安定性が高いのが特徴です。
※介護保険対象外です。
ベッドサイドに設置するだけで、寝起きや立ち座りの動作をサポートできる便利グッズです。特に下肢筋力が低下した方や、立ち上がりの不安から運動量が減ってきている方には有用です。
設置場所を選ばず、工事不要で使えるのがメリット。幅や高さ、形状に種類があり、ベッドや布団のスタイルに合わせて選べます。
制度上は、製品によって「福祉用具貸与(レンタル対象の手すり)」に該当するタイプがあるため、導入前に確認が必要です。介護度に応じて負担割合が変わるので、ケアマネジャーに相談して最適な選択をしましょう。
要介護者の体位変換や移乗をラクにする滑りやすいシートです。ベッドと身体の間に敷き込み、摩擦を減らすことで介助者の腰や腕への負担を大きく軽減します。
また、摩擦による皮膚損傷リスクも抑えられ、床ずれ(褥瘡)予防にも効果的です。軽量で持ち運びが容易なため、在宅介護だけでなく施設や病院での活用にも適しています。
※介護保険対象外です。
長時間同じ姿勢で過ごすと発生しやすい床ずれ(褥瘡)を予防するための専用グッズです。体圧を分散する素材や形状により、皮膚や血流への負担を和らげるほか、体位変換の頻度を減らせるため、介護者の負担軽減にもつながります。
クッションタイプは部分的なサポートに、エアマットレスや低反発マットレスは全身的な予防・改善に最適です。ただし、状態や体格、使用環境に応じて選定が必要で、医師や福祉用具専門相談員のアドバイスを受けながら決めるのが理想です。
制度上は「床ずれ防止用具(貸与対象)」に含まれ、介護保険でレンタル利用が可能です。

便座の高さを上げることで、立ち座りの動作をよりスムーズにするサポートグッズです。
高齢になると下肢筋力の低下や関節の可動域制限から、便座への腰掛けや立ち上がりが大きな負担となります。補高便座を取り付けることで膝や腰への負担が軽減され、自力での排泄動作を継続しやすくなります。
和式トイレを洋式化するタイプもあり、住宅環境に合わせた柔軟な対応が可能です。制度上は「腰掛便座(特定福祉用具販売・購入対象)」に分類され、介護保険を利用して購入できます。
トイレ動作における姿勢の安定と立ち座りの安全確保に役立つのがトイレ用手すりです。便器を挟み込む形で設置する両サイド肘掛けタイプは、用を足している最中も腕で体を支えられるため、転倒リスクの低減と安心感の向上につながります。
また、跳ね上げ式の肘掛けがついたタイプなら、介助が必要な場合でもスペースを確保しやすくなり、介助者の作業効率も上がります。制度上は「手すり(福祉用具貸与・レンタル対象)」に該当するものが多く、レンタルでの導入が可能です。
ポータブルトイレを利用する際に、受け用バケツにセットして使用する消耗品です。排泄後は袋ごと処理できるため、洗浄や消毒の手間が大幅に軽減され、介助者の負担が大幅に減ります。さらに、袋には吸収シートが内蔵されており、尿漏れ防止や臭いの軽減にも効果的です。
日常の介護だけでなく、災害時の非常用トイレとしても活用できます。コストは自費になりますが、常備しておくことで安心感が高まるアイテムです。
※介護保険対象外です。

ここまでにご紹介してきた以外にも、日常のあらゆる場面で介護をラクにする便利グッズが多々あります。
普段の生活において介護を手助けしてくれるグッズのおすすめ3点を見ていきます。
| グッズ | 詳細説明 | 制度区分 |
|---|---|---|
| スロープ (段差解消) |
玄関の上がり框や縁側、部屋の敷居など、日常生活でつまずきやすい段差を解消する補助具。車いす利用者や歩行が不安定な方の転倒リスクを低減し、移動の自由度を高める。材質はアルミや樹脂など多様で、可搬式なら持ち運びも容易。2024年度改定で、固定用スロープは“購入 or 貸与”の選択制に移行。 | 貸与か販売 の選択制 |
| 呼び出しブザー (ワイヤレス・防水) |
離れた部屋からでもワンタッチで家族を呼べる安心ツール。要介護者が転倒や体調不良を感じたときに迅速に呼び出せるため、見守りの安心感が格段に増す。ワイヤレス・防水仕様なら浴室やトイレでも使用可能。操作がシンプルであることが必須。 | 対象外 (自費購入) |
| お薬カレンダー | 薬の飲み忘れや重複服用を防ぐ管理ツール。1週間分を朝・昼・夕・就寝前に分けて収納できる細分タイプが便利。透明ポケットで中身が一目で確認でき、家族や介護者も服薬状況を把握しやすい。壁掛け式・卓上式の両方があり、寝室や食卓の近くに設置すると効果的。 | 対象外 (自費購入) |
ご紹介してきたグッズは主に「介護用品」として販売されているものですが、実は既にご家庭内にあるものの中でも、介護用アイテムとして代用できる日用品があります。
少しの工夫で介護をラクにするアイテムを見てみましょう。
| 代用品 | 活用方法 | メリット |
|---|---|---|
| フレンチボトル (調味料ボトル) |
オムツ交換時や入浴時の陰部・臀部洗浄用シャワーボトルとして代用可能。 | 安価(100円ショップ等で入手可)、軽量で扱いやすい |
| 深めのトレイ | うがいの際の「うがい受け」代用として活用。 | 洗いやすく衛生的、手近にある物で即対応できる |
| マッシャー/ キッチンばさみ |
介護食づくりに。マッシャーで固形物を食べやすい形状に潰し、キッチンばさみで麺類や肉を細かくカット。 | 専用品不要、日常調理器具で簡単に対応可能 |

介護に便利なグッズは、要介護者にとっても介護者にとっても、身体的・精神的負担を大きくやわらげてくれます。 「できれば揃えたいけれど、費用が心配…」という方も少なくないでしょう。
実は、介護用品の一部には介護保険が適用される制度があります。ここでは、その概要や条件、利用方法、対象用品について最新情報に基づき解説します。
介護用品の中には、「特定福祉用具」に指定されている物があります。それら特定福祉用具を都道府県の指定を受けている事業所から購入した場合、購入費の補助制度が受けられるのです。
介護保険で購入できる特定福祉用具は、「貸与になじまない性質のもの(他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うもの、使用によってもとの形態・品質が変化し、再利用できないもの)」とされています。つまり、「介護に必要な用具で、なおかつ利用者の肌に直接触れるもの」などが該当品です。
そして、もう一つの柱が「福祉用具貸与」です。必要な用具をレンタルでき、費用の1~3割を自己負担すれば利用できます。
| 特定福祉用具販売(購入) | 福祉用具貸与(レンタル) |
|---|---|
| 対象品目 | |
|
1. 腰掛便座(補高便座、和式→洋式化タイプなど) 2. 自動排泄処理装置の交換可能部品 3. 排泄予測支援機器 4. 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、入浴用介助ベルト) 5. 簡易浴槽 6. 移動用リフトのつり具部分 7. 固定用スロープ 8. 歩行器 9. 歩行補助つえ |
1. 車いす 2. 車いす付属品 3. 特殊寝台(介護ベッド) 4. 特殊寝台付属品 5. 床ずれ防止用具 6. 体位変換器 7. 手すり 8. スロープ 9. 歩行器 10. 歩行補助杖 11. 認知症老人徘徊感知機器 12. 移動用リフト(本体部分) 13. 自動排泄処理装置(本体部分) |
| 利用条件・注意点 | |
|
●対象者:在宅で生活する要介護1~5、要支援1~2の方 ●支給限度額:年度(4月~翌3月)で上限10万円(税込) ●自己負担割合:1~3割(所得により異なる) ●支給方法:原則「償還払い」で一旦全額を自己負担し、後日7~9割が払い戻し。ただし自治体によっては「受領委任払い」が利用可能(自己負担分のみ支払い)。 |
●車いす・特殊寝台・床ずれ防止用具・歩行器・手すりなど、軽度者(要支援1・2/要介護1)は原則貸与対象外となる品目があります。 ※必要性が医師・専門職により認められた場合のみ例外的に利用可。 ●自己負担は1~3割で、所得区分によって変わります。 |
| 手続きの流れ | |
|
1. ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談 2. 「特定福祉用具購入費支給申請書」を作成 3. 都道府県指定事業者で購入 4. 領収書・カタログ写しなどを添えて自治体に申請 5. 審査後、償還または受領委任で費用が支給 |
1. ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談 2. 「福祉用具貸与計画」作成と貸与事業所の選定 3. 福祉用具専門相談員が自宅訪問、用具の提案・試用 4. 契約・納品・使用開始 5. 定期的なメンテナンスとモニタリング |
在宅介護では、ちょっとした工夫や便利グッズがあるだけで、毎日の負担がぐっと軽くなります。食事・お風呂・寝室・トイレといった場面ごとに専用のアイテムを取り入れることで、要介護者にとって快適に、介護する側にとっても安心して続けられる環境が整います。
さらに、介護用品の中には介護保険を使って購入やレンタルができるものもあり、費用面のサポートも受けられます。制度を上手に活用すれば、経済的な負担を抑えつつ必要なグッズをそろえることが可能です。
無理をせず、できるところから便利グッズや制度を取り入れて、毎日の介護をもっとラクに、もっと安心できるものにしていきましょう。

介護保険を利用すれば自己負担1~3割の費用で手すりを付けられる!?

明日からすぐできる!自宅内の転倒事故を防ぐ10の方法

~手すり施工業者にこれだけは伝えておきたい!~ 設置場所別 手すりを付ける最適な方法とは!

「人生80年」でも健康なのは70年!?健康寿命を延ばすポイントとは

転倒事例を調査した研究者が伝えたい対策とアドバイス

「すべりにくい」プラス「クッション」?階段すべり止めを選ぶポイントとは (PR)

初めてのDIYでも簡単で頑丈に。介護にも役立つ手すり取付のコツを伝授!

手すりはここまで進化していた!てすりの老舗工場を取材!

14点以下は要注意!「転倒危険度診断」で今すぐチェック!

手すりはどこにつけるべき?場所別の設置箇所を網羅します!