201807/13
現在、介護保険の住宅改修費の支給を利用して、多くの方が“手すり”の設置を行っています。しかし手すりの設置によって「何が」「どのように」改善されるのかは、プロでなければなかなか予測しづらいものです。今回は、実際の手すり設置事例を参考に、生活における困りごとが、どのように改善されるのかを検証してみましょう。
会社名:おおにし工房
住所:大阪府高槻市辻子2丁目18-31
電話番号:072-676-1566
創業年:平成16年1月
資格等:2級建築士・1級建築施工管理技士・福祉住環境コーディネーター3級・マンションリフォームマネジャー
概要:
創業時から介護保険の住宅改修工事を専門として、高槻市のケアプランセンターからの依頼を受け、役所への申請書類の作成及び工事まで一貫して執り行っております。
メッセージ:
介護保険の住宅改修には、いろいろな面で制約があります。その中で、お施主様の希望をうかがって最適な工事が出来るよう対応しております。日常生活での不安を少しでも取り除くことができ、又、介護される方の負担も減らせれば幸いです。
実績:
介護保険の住宅改修 年間約200件
※介護保険による工事は、「おおにし工房」では直接受注していません。地域包括支援センターやケアマネージャーを通じての依頼となります。「おおにし工房」の受注エリアは高槻市周辺のみとなります。
住宅改修を依頼した方は設置工事の当時で●歳の男性。さまざまな病気があり、段差は足が上がらず転倒の危険性が高く、室内は伝い歩きと日々の生活でもさまざまな困難をお持ちでした。
妻と二人暮らし。妻も腰部脊柱管狭窄症により手足がしびれ、歩行ができないこともあるため、リハビリに来てもらうこともある。妻もまた要介護認定も受けており、自身の状態を維持することが精いっぱいで夫の介護はできない。長男は遠方に、長女は近隣に住んでいるが就労しており夫婦二人でいる時間が多い。
浴槽から出る時に支えとなるものがないため、浴槽の端やタイルの壁を持っている。足を踏ん張ることができず転倒しそうになることもある。
浴槽横の壁に手すりを設置。
しっかり体重をかけ、ふらつかずに移動することができる。
片麻痺の方や筋力の弱い方など身体状況が人それぞれで異なるため、可動範囲や生活状況を見ながら設置場所の判断をしていきます。
例えば、浴室の場合、壁に取り付けたI型の手すりを握った状態で足を上げられる方もいらっしゃいますが、筋力が低下して、浴槽の縁を両手で持ちながら体を傾けないと足を上げられない方もいらっしゃいます。
また高齢の方は特に入浴時のヒートショック(急激な寒暖差によって、血圧が上下に大きく変動することなどが原因で、失神・めまいなどが起きる現象)がもとになり、転倒する恐れが高まります。
このように浴槽への入り方も身体状況により様々ですので、そうした動作を踏まえて適切な位置に手すりを設置するか、又はシャワーチェアやバスボードなどの福祉用具も併用して安全に入浴できる環境を整えます。
※写真はイメージです
玄関から道路に出るまで支えとなるものがなく、壁を持っているが転倒しそうになることもある。門扉からは狭い階段が2段あり危険なのでガレージ側のスロープから出ているが、やはり歩行の支えがなく門柱の端を持っている。やはり転倒しそうになることがある。
玄関を出てからの移動の支えとして手すりを設置。
ゆっくりと時間をかけて安全に移動でき、ガレージ側から外へ行く際に段差を安全に移動することができる。
手すりが無い状況ですと、バランスを崩し、足を上げられる状態ではありませんでした。しかし段差のある場所も手すりをつけることで、姿勢を保持でき段差を安全に移動することができるようになります。
屋外手すりは、冬でも冷たくなく、夏でも熱くて触れないことの無いような素材を用いています。
階段に手すりがないため四つん這いになって3階に上がっている。何度か転倒しかけたことがあるうえ、ふらつきや息切れになって危険を感じる。
階段に手すりを設置。
安全に、ふらつくことなく3階に上がることができる。
1~2階の階段には、奥様のためにすでに手すりを設置していました。今回はそのリピートをいただきました。
階段手すりの太さは、実際に握って確認し、32φを設置。色に関しては床材やドア枠の色を考慮して選択されています。
階段は這ってでも昇ることはなんとかできますが、問題は降りる際です。転落の事故は降りる際に多い。階段に手すりをつけることで安全に降りることができます。
今回の現場でも、3階に行くことができることはもちろんですが、むしろ安全に3階から降りてくることができることがご夫婦の自宅での安全な暮らしにつながると思います。
浴室と同様にトイレでも身体状況に応じて手すりの施工を考えることができます。便座横にL型手すりの設置が一般的ですが、写真のように、便座の前に手すりを設置する事例もあります。
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