202601/07
住まいのちょっとした段差は、年齢を重ねるほど気になるものです。
わずかな段差でもつまずきの原因になりやすく、思わぬケガにつながることがあります。日常を安心して過ごすためには、あらかじめ住まいの環境を整えておくことが大切です。
家の中には、玄関の上がり框(かまち)や浴室の入口など、見落としがちな段差が多くあります。実際に「ヒヤリ」とした経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
本記事では、安心して自分らしい暮らしを続けるために、部屋の段差を解消する方法や役立つアイテムをご紹介します。あわせて、家の中で注意したい場所も確認し、より安全で快適な住まいを実現しましょう。
※この記事では、当サイトを運営するマツ六の商品についてもあわせてご紹介しています。
家の中にある段差は、思わぬ事故につながる危険性があります。では、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。
あわせて、そもそもなぜ家には段差が設けられているのか、その理由についても解説していきます。

日本の住宅は、欧米の住居と比べると段差が多い構造になっています。その背景には、日本独自の気候や生活習慣、建築様式が深く関係しています。
まず、気候面の要因です。日本は高温多湿な国であるため、地面からの湿気を逃がしやすくする工夫が必要でした。そのため玄関やアプローチには段差を設け、床下の通気を確保する構造が一般的となりました。
次に、生活様式の違いがあります。日本の住宅は和室と洋室が混在するケースが多く、畳とフローリングなど床材の厚みが異なるため、どうしても床の高さに差が生じやすくなります。これが室内の小さな段差につながっているのです。
さらに、浴室の構造も特徴的です。日本では浴槽と洗い場を分けて使用する習慣があり、洗い場で使ったお湯が脱衣所に流れ出ないように段差を設ける設計が定着しました。この点は、シャワー中心の欧米住宅との大きな違いといえるでしょう。
このように、湿気対策や多様な床材の組み合わせ、水回りの使用方法など、日本の文化や環境に根ざした理由から、住宅には多くの段差が残っています。
とはいえ、近年ではバリアフリー住宅が普及し、段差を極力なくした設計が標準的になりつつあります。特に高齢者の暮らしを意識した新築住宅やリフォームでは、フラットな床面や滑りにくい素材を取り入れるなど、安全性と快適性を両立する工夫が進んでいます。

年齢を重ねると、体の動きや感覚に少しずつ変化が生じます。 そのため、若い頃は気にならなかったわずかな段差でも、つまずきや転倒のリスクが高まることがあります。
また、視力の変化によって段差が見えにくくなったり、見落としてしまったりすることもあるでしょう。
さらに、歩行器や車いすを利用するようになると、ちょっとした段差も大きな障害となり、安全な移動を妨げる要因になりかねません。

段差でつまずくことは、小さなことに思えるかもしれませんが、高齢者にとっては重大な結果を招くことがあります。
年齢を重ねると、骨の強さや回復力が若い頃とは異なってくるため、軽い転倒でも骨折などの怪我になりやすくなります。
そして、怪我や骨折の治癒には時間を要することが多く、長期間の活動制限が体力や筋力のさらなる低下を引き起こす可能性があります。そうした流れが、日常生活の自立を難しくすることもあるでしょう。
「令和4年版 高齢社会白書(全体版)」によれば、高齢者が要介護状態になる主な要因のひとつとして、「骨折・転倒」が全体の約 13.0% を占めており、認知症や脳血管疾患と並ぶ重要な要素とされています。

また、「理学療法ハンドブック⑱転倒予防」によると、65歳以上の方のおよそ3人に1人が過去1年以内に少なくとも一度は転倒を経験しており、そのうちおよそ 5% が骨折を伴う怪我につながっている、という報告もあります。
転倒による恐怖心が生じると、活動量が減り、さらに体の機能が弱まってしまうという悪循環にもなりかねません。
自身が健康なときはあまり気にも留めませんが、家の中には段差が多く存在します。
はっきりと目に見えてわかる段差から、思いもよらない段差まで、どんな場所に気をつけるべきなのか、見ていきましょう。

玄関の上がり框(あがりかまち)とは、玄関土間からホールへと上がる際に生じる段差を指します。いわば、靴と素足の世界を分ける、日本ならではの象徴的な境目といえるでしょう。
外と内を明確に区別し、湿気を逃がしやすくするため、昔からこの段差が設けられてきました。日本の生活文化と気候が生み出した知恵といえます。
ただし、この段差は上がるときにしっかり足を持ち上げる必要があるため、年齢を重ねると負担を感じることもあります。近年では、安全性と快適さを両立するため、スロープや手すりを取り付けたり、踏台を活用したり、段差そのものを低く抑えるなどの工夫が進んでいます。

階段部分の段差も、玄関と同じように明確に意識すべきポイントです。とくに築年数の経った住宅では階段の勾配が急な造りになっていることも多く、慎重な上り下りが求められます。
連続した段差が続く場所であるため、途中で少しつまずいただけでも転倒のリスクが高まり、大きな怪我につながりかねません。安全に移動するためには、手すりの設置や照明の工夫など、環境面でのサポートが重要といえるでしょう。

普段あまり意識されませんが、部屋と部屋の間や廊下との境目にも小さな段差が存在します。玄関や階段のように目立つものではないため、気づかずにつまずいてしまうことが少なくありません。
若い頃であれば無意識に避けられ、つまずいてもすぐに体勢を立て直せることが多いですが、年齢を重ねると反応の遅れやバランスの変化により、転倒のリスクが高まりやすいです。
こうした見落としやすい段差こそ、安心して生活するために対策を講じておきたいポイントです。

浴室は、先述したとおり湯水が脱衣所へ流れ出ないようにするため、入口部分に高低差が設けられていることが多いです。
また、トイレと廊下の境目にも小さな段差がある住まいは少なくありません。特にトイレは急いで利用する場面も多いため、段差に気づかずつまずくリスクがあります。
さらに、トイレは限られたスペースであることから、万が一転倒した際に体をぶつけやすく、大きな怪我につながる恐れもあります。段差解消や手すりの設置など、安全面を考慮した対策が求められます。

畳のヘリの部分にも、わずかながら段差が存在します。普段は段差を意識しにくいため、気づかずにつまずいてしまうこともあります。
同様に、カーペットやマットの端にできるわずかな段差も注意が必要です。特に端が浮き上がったり、つまずいた際にめくれあがったりすると、転倒の原因になりかねません。
一見ささいに思える箇所ほど油断しやすく、思わぬ事故につながることがあります。安心して生活を続けるためには、こうした小さな段差にも目を向け、事前に対策を講じておくことが大切です。
家の中には、想像以上に多くの段差が存在しており、段差をそのままにしておくと、ちょっとしたつまずきから大きな事故につながることもあります。
では、そうした危険な段差はどのように解消できるのでしょうか。ここでは、暮らしをより安心で快適にするための具体的な方法をご紹介します
部屋と廊下の境目などの小さな段差は、リフォーム工事によって解消できます。敷居を取り除き、周囲の床と高さをそろえるように床材を敷き込む方法が一般的です。
引き戸の場合も同様に、敷居を撤去して床とフラットになるようにレールを埋め込むことで、安全に通行できるようになります。
浴室の段差も、バリアフリー仕様の扉に交換したり、洗い場や浴槽の床をかさ上げしたりするなどの工事で改善可能です。トイレの段差についても、敷居の撤去や床材・枠の交換によって解消できます。
リフォームは専門業者に任せられる安心感がある一方、費用が比較的高くつく点がデメリットです。ただし、介護保険の住宅改修費用が適用されるケースもあります。
費用を抑えたい場合は、自分で段差を調整する方法もあります。
リフォームと同様に敷居を取り除いて床材を足したり、木材を段差の高さに合わせて加工してスロープを作ったりする方法が考えられます。
DIYはコストを抑えられる点が魅力ですが、仕上がりの美しさや安全性を確保するには一定の技術や手間が必要になります。
スロープや踏み台など、市販のアイテムを設置して段差を解消する方法もあります。
リフォームよりも安価で、DIYよりも手軽に導入できるため、多くのご家庭で取り入れやすい選択肢です。
注意点としては、自宅の段差にぴったり合うサイズのものが見つからない場合、調整が必要になることです。とはいえ、現在はサイズや素材のバリエーションが豊富に展開されており、適切な製品を選びやすくなっています。
わずかな段差を解消するだけで、日々の移動がスムーズになり、高齢者の生活のしやすさが大きく向上します。
本人だけでなく、介護を行うご家族にとっても、安心して支えやすい環境が整うはずです。
ここからは、比較的安価で導入でき、ご自身で設置しやすいアイテムをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

踏み台は、大きな段差を無理なく越えられるようにしてくれる便利なアイテムです。段差の中間に踏み台を設置することで、上り下りの動作がスムーズになり、安心して移動できるようになります。
サイズや素材のバリエーションも豊富に揃っているため、自宅の環境や好みに合わせて選べる点も魅力です。

手すりを取り付けることで、段差部分を歩く際の支えとなります。
リフォームでの設置はもちろん、最近は自分でも比較的簡単に取り付けられるようなタイプの手すりも増えており、ホームセンターなどでも購入可能です。
壁などに取り付ける手すりのほか、置き型の手すりなど、サイズ、形状、仕様がさまざまなものがあります。
玄関、部屋の出入り口、トイレ、浴室などあらゆる場所で役立つでしょう。

スロープとは、傾斜した通路や道路などを指し、「斜路」ともいいます。介護用品における「スロープ」は、段差になだらかな傾斜を加えることで歩きやすくし、また転倒を防ぐものです。
スロープの場合、引っかかりがないため、歩行器や車いすにも適しています。こちらも、玄関やトイレ、浴室、部屋の出入り口などあらゆる場所で活躍するでしょう。
両面テープで簡単に貼り付けられるタイプのものも多く、手軽に設置できる点も嬉しいポイントです。
サイズもさまざまで、材質も木製のもの、ゴム製のもの、アルミ製のものなど多くの種類が販売されているため、用途に合わせて選べます。
段差解消のリフォームや手すり設置などは、介護保険の住宅改修費が適用される場合があります。
介護保険では、要支援1・2、要介護1〜5に認定された方を対象に、住まいの安全性を高めるための小規模な改修に補助が出ます。段差解消に関しては、以下のような工事が対象となります。
支給限度額は20万円までと定められており、そのうち自己負担は原則1割(一定以上所得者は2割または3割)です。たとえば20万円の工事を行った場合、18万円が保険から支給され、自己負担は2万円となります。
支給限度額は20万円までと定められており、そのうち自己負担は原則1割(一定以上所得者は2割または3割)です。たとえば20万円の工事を行った場合、18万円が保険から支給され、自己負担は2万円となります。
原則は「償還払い方式」で、いったん自己負担分を含めた全額を業者へ支払い、その後に市町村から給付金が支払われます。
ただし自治体によっては「受領委任払い方式」を導入している場合があり、この方式を利用すると利用者は自己負担分のみを業者に支払えばよい仕組みです。
工事前に「ケアマネジャー」や「地域包括支援センター」に相談し、市町村へ申請を行う必要があります。
工事完了後の申請では対象外となる場合があるため、必ず着工前に手続きすることが重要です。
当サイトを運営しているマツ六では、さまざまなタイプ・サイズのスロープや手すりを扱っています。ご自宅の環境に合う商品も、きっと見つかることでしょう。
ここからは、どのような場所に、どのサイズのスロープや手すりが適しているのかを解説します。費用もあわせてご紹介するので、ご自宅の状況と照らし合わせながら、1つの目安としてみてください。
玄関の上がり框用の手すりとしては、高さが調整できる置き型のものが適しています。
マツ六の商品では、「BAUHAUS 上がりかまち用手すり L型/F型」がおすすめです。玄関下と玄関上にわたす形で取り付けます。

L型のBA-01WNSの高さは810~1,200mmで幅は334mm、F型のBA-02WNSの高さは750~1,200mmで幅は334mmです。
施工できる框の高さ、厚さ、幅は、以下の表を参考にしてください。

玄関に式台がある場合は、以下の寸法を確認しましょう。

*框側に取付位置を調整することによって、式台の幅が210mm程度から設置が可能。
BA-01WNS(L型)とBA-02WNS(F型)は、共に1台40,000円(税抜き)となっています。新色の「BA-01WDB」「BA-02WDB」も加わり、自宅に合わせてお色を選べるのも嬉しいですね。
また、玄関の上がり框には、「たよレールdan ハイタイプ」の踏み台付もおすすめです。です。

片手すりタイプ、両手すりタイプ共に、以下のようなサイズ感となっています。

片手すり踏み台付のBZD-02WDとBZD-02WNは1台104,000円(税抜き)、両手すり踏み台付のBZD-04WDとBZD-04WNは1台152,000円(税抜き)です。
マツ六の商品で、部屋間や廊下との境目に適しているのは、「BAUHAUS 35セレクト I型ハンド」です。エンドブラケット仕様により、袖口を引っかけにくくなっています。

サイズは、400mm、600mm、800mmの3種類あるので、ご自宅の使いたい場所に合わせて選びましょう。幅は、全て72.5mmです。
400mmのBG-101MBとBG-101CGは1本10,000円(税抜き)、600mmのBG-102MBとBG-102CGは1本11,000円(税抜き)、800mmのBG-103MBとBG-103CGは1本12,500円(税抜き)です。
スロープなら、「エコ段差スロープR付」をおすすめします。。

やわらかく、また滑りにくいのが特徴です。好みの長さにカットして使用できます。
サイズと価格は、以下を参考にしてください。

段差の大きさに合わせて使い分けましょう。
トイレや浴室にも手すりやスロープがあることで、出入りがラクになります。
トイレの出入り口の手すりとしては、先ほどご紹介した「BAUHAUS 35セレクト I型ハンド」がおすすめです。

参考:BAUHAUS 35セレクト I型ハンド|マツ六株式会社
日本の住まいには、高温多湿な気候に対応するための工夫として、昔から段差が多く設けられてきました。 こうした段差は生活の知恵の一部である一方で、年齢を重ねると気づかないうちに「つまずきの原因」となることもあります。
ですが、段差はリフォームや便利なアイテムを活用することで、無理なく解消することができます。 ほんの少し工夫を加えるだけで、移動がぐっとラクになり、日常をより安心して過ごせるようになるでしょう。
安全性を整えることは、「高齢者のため」だけでなく、家族みんなが快適に暮らすための環境づくりでもあります。
ぜひ段差対策を取り入れて、自分らしく、安心で心地よい暮らしを続けていきましょう。

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