202310/02
高齢になると、些細な段差でも転倒しやすくなるものです。
また、ちょっとした転倒であっても、若い頃のようには回復しづらく、寝たきり等につながらないとも限りません。
家の中には、思いのほかたくさんの段差があります。高齢者がいる家庭では、そんな段差にヒヤリとした経験も多々あるのではないでしょうか。
本記事では、高齢者の安心感を高めるために、部屋の段差をなくす方法やアイテムをご紹介します。
家の中の危険な場所も再確認し、安心・安全な住まいを実現できるように努めましょう。
※この記事では、当サイト運営のマツ六の商品PRもさせていただいております。
家のあらゆる場所にある段差は、具体的にどのような危険をもたらす可能性があるのでしょうか?
家に段差が設けられている理由も含め、解説していきます。
外国の住居と比較し、段差が多くなっているのが日本の家屋です。
日本の気候は高温多湿であるが故、地面からの湿気を抜けやすくするために、玄関やアプローチの段差が設けられています。
また日本家屋では、和室と洋室の両方があることも少なくありません。その場合、畳とフローリングで床材の厚みが違うことなどから、高低が生じます。
お風呂に関しても、浴槽と洗い場で完全にわけて使う日本では、洗い場で使用する湯水が脱衣所に流れていってしまわぬよう、段差が設けられているのが一般的です。
このように、日本の気候や家の造り、習慣などから、段差があちこちに見られる家が多いのです。
ただし、最近建てられた家などは、最初からバリアフリー仕様の造りになっているものも増えてきています。
高齢者は、若い頃と比べ、足腰の筋肉が衰えてしまっています。
そのため、若い頃は気にならなかったようなちょっとした段差でも足が引っかかり、転倒してしまうことがあるのです。
また、視力も衰えてくるため、段差が目に入りづらく、見落としてしまうこともあるでしょう。
家の中でも歩行器や車いすが必要になってくると、さらに段差の危険性は高まります。
段差でつまずくと、大きな怪我につながることもあります。
若者と高齢者とでは、同じ「転ぶ」にしてもダメージが大きく異なるものです。
足腰の筋肉が衰えやすい高齢者は、骨も脆くなっていることが多く、軽く転倒しただけでも骨折してしまうことがあります。
怪我や骨折の回復も若い頃のようにはいかないため、たった1回の転倒でも寝たきりの状態につながりかねません。
内閣府の「令和元年版高齢社会白書(全体版)」によると、高齢者が要介護と認定される原因として、「骨折・転倒」は全体の12.5%を占めています。
また、転倒してしまったことがトラウマとなり、家の中を歩くのが怖くなってしまったり、自立歩行の妨げとなることも考えられるでしょう。
自身が健康なときは気にも留めませんが、家の中には段差が多く存在します。
はっきりと目に見えてわかる段差から、思いもよらない段差まで、どんな場所に気をつけるべきなのか、見ていきましょう。
玄関の上がり框とは、玄関土間から玄関ホールに上がるときの間の段差を指します。 いわば、靴と素足の境目の部分です。
家の中では靴を脱ぐ習慣のある日本ならではのものといえるでしょう。
外との区別をつけ、湿気を抜けやすくするために、はっきりとした段差が設けられています。
しっかりと足を上げてのぼらなければならず、筋力の衰えた高齢者にはなかなか大変です。
階段部分の段差も、玄関同様はっきりと判別できる段差です。
とくに古い家などは階段が急な造りになっており、高齢者にはハードな箇所の1つといえるでしょう。
連続した段差のため、途中で少しつまずくだけでも、大きな怪我をしてしまう可能性が高い場所でもあります。
普段意識している方は少ないと思いますが、部屋間や廊下にも段差は存在します。
部屋と部屋の間、部屋と廊下の間の段差は、玄関や階段のように分かりやすいものではないため、うっかりつまずいてしまうことが多いです。
若い内は無意識に避けたり、多少つまずいてもすぐに体勢の立て直しができたりしますが、高齢者は段差に気づかずつまずいたり、そのまま体勢を崩して転倒してしまうこともあります。
気づきにくい小さな段差だからこそ、対策が必要です。
浴室は、先述したとおり湯水が脱衣所へ流れ出てしまうことを防ぐため、しっかりと高低があることが多いです。
トイレと廊下との間に段差があることも少なくありません。
とくにトイレは、急いで入るときなどにつまずきがちです。
トイレはスペースが狭いため、つまずいた際に頭や体をぶつけ、大きな怪我をしてしまうことも考えられます。
畳のヘリ部分にも、ほんのわずかではありますが、段差が存在します。 普段、段差と意識していないからこそ、つまずいてしまうこともあるでしょう。
カーペットやマットのわずかな段差も、高齢者にとっては危険な箇所の1つです。
つまずいた際にカーペットやマットがめくれあがってしまったら、派手に転んでしまうことも考えられます。
家の中には、想像以上に多くの段差が存在することがわかりました。
そのままにしておくと、思わぬ事故につながってしまうこともあります。
では、危険な段差はどのようにしたらよいのでしょうか。
ここでは、部屋の段差を解消するのに有効な方法をご紹介します。
部屋間や廊下との間など小さな段差は、リフォーム工事で解消できます。
敷居部分を取り除き、部屋や廊下の床と高さが同じ床材を埋め込むことでフラットな状態にするリフォームが一般的です。
引き戸の敷居部分に関しても、現存の敷居部分を取り除き、周りの床と高さが同じになるようレールを埋め込み、フラットにします。
浴室の段差も、バリアフリー専用扉への交換や、洗い場の床・浴槽の交換、かさ上げなどで対応可能です。
トイレの段差も、敷居部分の取り除き、ドアや枠、床材の交換などで対応します。
リフォームはプロに任せられるので何かと安心ですが、介護保険の適用は一部可能であるものの費用がかさむ点がデメリットです。
自分でDIYして段差を解消することも可能です。 リフォームと同様に、敷居部分を撤去し、床材を補足したりすることで段差を解消できます。
この場合、リフォーム業者に依頼するより安価で済むことがメリットです。
また、木材を段差の高さに合わせてカットし、自作のスロープなどを取り付けることもできます。
いずれにしても手間がかかり、綺麗に仕上げるには相応の技術も必要です。
スロープや踏み台など、自宅に合ったサイズのものを購入し、該当箇所に設置することで段差を解消する方法もあります。
リフォームよりも安価で、なおかつDIYよりも手間がかからず、比較的誰でも手軽にできる方法です。
自宅の段差にぴったりと合うアイテムが見つかるとも限らないため、調整などが必要な場合もあることには留意しましょう。
とはいえ、昨今はスロープや踏み台などさまざまなサイズのものが展開されているため、適切なものが見つかる可能性は高いです。
部屋の段差をなくすだけで、高齢者がグッと生活しやすく、またスムーズに介護できるようになります。
ここからは、段差対策におすすめのアイテムを見ていきましょう。
主に自分で比較的安価に取り付けられるものをご紹介するので、参考にしてください。
踏み台は、大きな段差を小さくするのに役立つアイテムです。
大きな段差との間に踏み台を置くことで、昇降をラクに、また安全にできます。
踏み台は、たとえば玄関の上がり框で使用するのに適しています。
さまざまなサイズ、素材の踏み台が販売されているため、自宅の環境に合わせて選択可能です。
手すりを取り付けることで、段差部分を歩く際の支えとなります。
リフォームでの設置はもちろん、最近は自分でも比較的簡単に取り付けられるようなタイプの手すりも増えてきました。
ホームセンターなどでも購入可能です。
壁などに取り付ける手すりのほか、置き型の手すりなど、サイズ、形状、仕様がさまざまなものがあります。
玄関、部屋の出入り口、トイレ、浴室などあらゆる場所で役立つでしょう。
スロープとは、傾斜した通路や道路などを指し、「斜路」ともいいます。
介護用品における「スロープ」は、段差になだらかな傾斜を加えることで歩きやすくし、また転倒を防ぐものです。
スロープの場合、引っかかりがないため、歩行器や車いすにも適しています。こちらも、玄関やトイレ、浴室、部屋の出入り口などあらゆる場所で活躍するでしょう。
両面テープで簡単に貼り付けられるタイプのものも多く、手軽に設置できる点も嬉しいポイントです。
サイズもさまざまで、材質も木製のもの、ゴム製のもの、アルミ製のものなど多くの種類が販売されているため、用途に合わせて選べます。
段差解消には、スロープや手すりが有効とお伝えしました。
当サイトを運営しているマツ六では、さまざまなタイプ・サイズのスロープや手すりを扱っています。ご自宅の環境に合う商品も、きっと見つかることでしょう。
どのような場所にどのサイズのスロープや手すりが適しているのか、解説します。費用も併せてご紹介するので、ご自宅と照らし合わせ、1つの目安としてみてください。
玄関の上がり框用の手すりとしては、高さが調整できる置き型のものが適しています。
マツ六の商品では、「BAUHAUS 上がりかまち用手すり L型/F型」がおすすめです。玄関下と玄関上にわたす形で取り付けます。
L型のBA-01WNSの高さは810~1,200mmで幅は334mm、F型のBA-02WNSの高さは750~1,200mmで幅は334mmです。
施工できる框の高さ、厚さ、幅は、以下の表を参考にしてください。
玄関に式台がある場合は、以下の寸法を確認しましょう。
*框側に取付位置を調整することによって、式台の幅が210mm程度から設置が可能。
BA-01WNS(L型)とBA-02WNS(F型)は、共に1台40,000円(税抜き)となっています。新色の「BA-01WDB」「BA-02WDB」も加わり、自宅に合わせてお色を選べるのも嬉しいですね。
また、玄関の上がり框には、「たよレールdan ハイタイプ」の踏み台付もおすすめです。
片手すりタイプ、両手すりタイプ共に、以下のようなサイズ感となっています。
片手すり踏み台付のBZD-02WDとBZD-02WNは1台104,000円(税抜き)、両手すり踏み台付のBZD-04WDとBZD-04WNは1台152,000円(税抜き)です。
マツ六の商品で、部屋間や廊下との境目に適しているのは、「BAUHAUS 35セレクト I型ハンド」です。エンドブラケット仕様により、袖口を引っかけにくくなっています。
サイズは、400mm、600mm、800mmの3種類あるので、ご自宅の使いたい場所に合わせて選びましょう。
幅は、全て72.5mmとなっています。
400mmのBG-101MBとBG-101CGは1本9,100円(税抜き)、600mmのBG-102MBとBG-102CGは1本9,900円(税抜き)、800mmのBG-103MBとBG-103CGは1本11,200円(税抜き)です。
スロープなら、「エコ段差スロープR付」をおすすめします。
やわらかく、また滑りにくいのが特徴です。好みの長さにカットして使用できます。
サイズと価格は、以下を参考にしてください。
段差の大きさに合わせて使い分けましょう。
トイレや浴室にも手すりやスロープがあることで、出入りがラクになります。
トイレの出入り口の手すりとしては、先ほどご紹介した「BAUHAUS 35セレクト I型ハンド」がおすすめです。
参考:BAUHAUS 35セレクト I型ハンド|マツ六株式会社
高温多湿な気候の日本では、湿気を溜め込まぬように多くの段差が設けられているのが一般的です。
普段生活している家の中にも、高齢者にとっては危険な箇所が多々あります。
しかし、転倒しやすい段差は、便利なアイテムを使用して解消することも可能です。
部屋の段差を適切に解消し、快適な生活へとつなげましょう。
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