202010/06
新型コロナウイルス感染症の拡大により高齢者施設でクラスターが多発していることを受け、自宅介護の流れが加速しています。自宅介護で気を付けなければいけないのは「転倒事故」です。高齢者にとってはちょっとした転倒事故でも、要介護状態になる要因になりかねません。
そこでこの記事では、自宅介護での転倒事故の原因ランキング、および転倒対策のポイントについてご紹介します。転倒事故を防ぐ参考にしてください。
それでは最初に、65歳以上の高齢者の、転倒事故の場所のランキングを見てみましょう。
転倒場所として第2位の「階段」が多いのは理解できるところです。しかし、第1位が「居室」というのは意外に思う人も多いのではないでしょうか? 居室は「安全」のイメージがあるからです。安全に思える居室が、実は事故がいちばん多発していることは、注意が必要なポイントです。
また、第3位以降は、台所・食堂、玄関、洗面所、風呂場、廊下、トイレと続きます。言うなれば「家の中すべての場所が危ない」ということです。転倒対策は怠らず、スキなく行いたいところです。
転倒事故の場所についてはこれではっきりしましたが、原因にはどのようなものがあるのでしょうか? 転倒事故の原因を、まず外的要因から見てみましょう。
転倒事故の外的要因としてまず挙げられるのは、床のほんのわずかな段差です。高齢者は身体機能が低下してしまい、すり足で歩くことが多いです。そのため、若い人なら気になることもない、カーペットや敷居などの1センチ未満の段差でも足を取られてしまうことがあります。また、滑りやすいフローリングの床も、高齢者にとっては危険ポイントの一つです。
履物も転倒事故の要因となることがあります。脱げやすい履物、あるいは滑りやすい履物は転倒事故につながります。
夜間などには、照明が不十分で足元が暗い場合に、転倒事故が起こりやすくなります。
床に、電気コードや照明コード、滑りやすいマット、あるいはカーペットの端が折れた部分などはないでしょうか? これらの障害物も、若い人にとっては何でもなくても、高齢者にとっては転倒事故の原因となることがあります。
次に、転倒事故の内的要因を見てみましょう。
高齢者の転倒事故の内的要因としてまずあげられるのは、身体機能の低下です。前述の通り高齢者はすり足で歩くことが多いため、床のちょっとした段差でもつまずきやすくなります。また、足腰の筋力やバランス感覚、視野や視力などの低下も、転倒事故の要因です。
転倒事故は、精神・心理面からも起こります。高齢者に多い認知障害は注意力不足につながります。緊張や興奮、焦り、不安などがある場合にも、冷静な動作ができずに転倒してしまうことがあります。
薬の副作用も転倒の大きな要因です。薬には、注意力の低下や足元のふらつき、眠気、意欲の減退などが副作用として表れるものがあるからです。
特に高齢者は多くの場合、多数の薬を服用しており、内臓機能が低下しているため副作用が出やすいです。また、薬を服用したことにより体調が変化しても、「家族に迷惑・心配をかけてはいけない」と言わないことがあります。
高齢者の服用する薬については、副作用が出ていないかを周囲の人がよく注意することが必要です。高齢者が飲む薬のうち、転倒につながる副作用が起こりやすいものには以下のようなものがあります。
転倒事故はどのように予防すればよいのでしょうか? 対策のポイントについて見てみましょう。
自宅介護における転倒事故を防ぐためには、やはりリフォームをして手すりを取り付けることが最低限必要です。設置する場所は、段差がある玄関や階段・廊下、および座ったり立ったりする際に転倒しやすい浴室やトイレがポイントになるでしょう。
手すりを取り付ける際には「手あか」がついている場所が最適な設置場所です。手あかがついている場所は、無意識に手をつくところだからです。
また、取り付ける高さは、手すりを使用する人の「大腿骨大転子(だいたいこつだいてんし)」の位置が適切です。大腿骨大転子とは、太ももの骨のいちばん上の、ちょっとポコっと出たところのことです。杖を使っている人の場合は、杖の高さにするのもよいでしょう。
詳しくは下の記事をご覧ください。
⇒転倒予防ナビ『~手すり施工業者にこれだけは伝えておきたい!~ 設置場所別 手すりを付ける最適な方法とは!』
手すりを取り付ける際には、自分で工事することもできます。DIYの材料購入は、2,200円以上の購入で送料が無料になる住宅建材アウトレットストア「建材サルベージ」がおすすめです。
高齢者の転倒事故は、足元が暗くて見えにくい夜間に起こりやすいのは前述の通りです。高齢者が夜間に歩くといえば……? そう、トイレです。したがって、寝室からトイレにかけての動線をチェックし、必要な対策を施しましょう。
対策には以下のようなものがあげられます。
1. 寝室からトイレのあいだに照明、およびそのスイッチがない場合、センサー式の足元灯を設置する
2. 荷物や照明コード、延長コードなどを寝室とトイレのあいだに置かない
3. じゅうたんやマットなどの段差を作るものを置かない
4. 寝室からトイレのあいだに手すりを設置する
詳しくは、下の記事をご覧ください。
⇒転倒予防ナビ『高齢者の転倒は夜起こる! 作業療法士から見た住宅改修』
前述の通り「履物」も、高齢者が転倒する大きな要因となっています。つまずきにくい履物を使用することも転倒予防には重要です。
おすすめの履物は、アサヒシューズの「快歩主義」です。屋外用と屋内用の両方があります。
快歩主義はつま先とかかとを巻き上げ、つまずきにくい設計となっています。また、体重移動がしやすいソール設計、しめつけの軽減、超軽量、脱ぎ履きがしやすいなど、高齢者が快適に使用できるさまざまな配慮がされています。
詳しくは下の記事をご覧ください。
新型コロナウイルス感染症の拡大で加速する自宅介護。自宅介護を行う際には、高齢者が要介護状態になる要因ともなりうる「転倒事故」をいかに防ぐかが重要です。
高齢者の転倒事故がいちばん多い場所は「居室」です。高齢者はちょっとした段差があってもつまずいて転倒することがあります。カーペットや電気のコードを置かないなど、段差をなくす工夫をしましょう。
手すりの取り付けも、転倒事故を防ぐためには重要です。手すりはDIYで、費用を抑えて取り付けることもできます。大工仕事が得意な方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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